BSE関連出荷停止肥料適正処理緊急対策事業実施要領

 

       平成15年9月16日付け15消安第1759号農林水産省消費・安全局長通知

 

第1 趣旨

 我が国において牛海綿状脳症の患畜が確認され、その原因として肉骨粉の給与が疑われたことから、感染源の遮断に万全を期するため、平成13年10月から、全ての国からの肉骨粉等の輸入を一時停止するとともに、国内産を含めた飼料用・肥料用肉骨粉等及び肉骨粉等を含む飼料・肥料の製造及び出荷の停止を要請したところである。

 この要請により出荷停止等の対象となった肥料のうち、安全性が確保された一部のものについては、製造・出荷の解除が行われる一方、肉骨粉等と化学肥料が混合された複合肥料の大部分については、出荷解除の見通しがないまま在庫となっている。このような状況の中で、在庫を持ちきれなくなった肥料製造業者等からの肥料の流出があった場合に、肥料中の肉骨粉等が牛海綿状脳症の新たな感染源となって、畜産関係者に甚大な影響をもたらすことも懸念される。

 このため、出荷停止等の措置によって在庫となっている肉骨粉等を含む複合肥料(以下「出荷停止肥料」という。)の適正な処理を推進するための事業に対して、農畜産業振興事業団(以下「事業団」という。)が助成し、もって牛海綿状脳症の感染源の遮断に万全を期するものとする。

 

第2 事業実施主体

 この事業の事業実施主体は、財団法人肥料経済研究所(以下「経済研」という。)とする。

 

第3 事業の内容

 この事業の内容は、次のとおりとする。

 1 出荷停止肥料適正処理の推進

 経済研は、出荷停止肥料の適正処理の推進を図るため、関係機関による検討会の開催等を行うものとする。

 2 出荷停止肥料の適正処理

 経済研は、出荷停止肥料の適正処理を推進するため、経済研の会員である団体の構成員であって、肥料取締法(昭和25年法律第127号)第4条の規定に基づき農林水産大臣又は都道府県知事に登録を行っている肥料の生産業者又は輸入業者及び同法第16条の2の規定に基づき農林水産大臣又は都道府県知事に届出を行っている生産業者又は輸入業者(以下「出荷停止肥料処理事業者」という。)が出荷停止肥料の適正な処理を行うのに必要な経費の一部を助成するものとする。

第4 事業の実施

 1 事業実施計画の作成

 この事業の実施に当たって、出荷停止肥料処理事業者は、事業実施計画を作成し、出荷停止肥料処理事業者が肥料を製造した施設(出荷停止肥料処理事業者が輸入業者の場合は肥料を保管する施設)の所在する都道府県知事に協議の上、経済研に提出するものとする。

 経済研は、提出された実施計画書を取りまとめ、自らの事業実施計画とともに農畜産業振興事業団理事長(以下「理事長」という。)に提出して承認を受けるものとする。

 2 事業の委託

 経済研は、この事業の一部を理事長が適当と認める者に委託することができるものとする。

 3 事業の要件

    (1) 第3の2の助成の対象となる出荷停止肥料は、ア又はイのいずれかの要件を満たすものとする。

   ア 「動物性加工たん白(肉骨粉等、飼料となる可能性のあるもの)の緊急輸入一時停止措置について」(平成13年10月1 日付け13生畜第3326号農林水産省生産局長通知)に基づき、緊急輸入停止措置が講じられた日の前日までに輸入された「肉骨粉 等を含む複合肥料」(未通関のまま輸入港の保税倉庫等に保管されているものを含む。)。

   イ 「肉骨粉等の当面の取扱いについて」(平成13年10月1日付け13生畜第3388号農林水産省生産局長・水産庁長官 通知)に基づき、製造・出荷の停止措置が講じられた日の前日までに製造された「肉骨粉等を含む複合肥料」。

(2) (1)の規定にかかわらず、ア又はイに掲げるものについては、本事業の対象外とする。

   ア 「ペットフード用及び肥料用の肉骨粉等の当面の取扱いについて」(平成13年11月1日付け13生畜第4104号農林 水産省生産局長・水産庁長官通知)及び「「ペットフード用及び肥料用の肉骨粉等の当面の取扱いについて」の一部改正について」( 平成14年1月11日付け13生畜第7679号農林水産省生産局長・水産庁長官通知)により、出荷等の一時停止の要請を解除され た肥料。

   イ 飼料用肉骨粉適正処分緊急対策事業(平成13年10月16日付け13生畜第3878号農林水産省生産局長通知)の対象 となり得た肥料用の肉骨粉等。

   (3) 出荷停止肥料処理事業者は、都道府県知事があらかじめ認めた処理施設等において、出荷停止肥料を焼却等により処分するものとす る。

 

 4 事業の実績報告

  出荷停止肥料処理事業者は、事業の終了後、遅滞なく自らが出荷停止肥料を製造・保管する施設の所在する都道府県知事及び経済研に対し、 実施した事業の実績を報告するものとする。

  経済研は、提出された事業の実績を取りまとめ、自ら実施した事業の実績とともに遅滞なく、理事長に報告するものとする。

 5 事業の実施期間

    この事業の実施期間は、平成16年3月31日までとする。

 

第5 事業の推進指導体制等

  1 経済研は、農林水産省及び事業団の指導の下、都道府県及び関係団体との連携に努め、この事業の適正かつ円滑な実施及び推進を図るも のとする。

2 都道府県知事は、この事業の適正かつ円滑な実施を図るため、この事業の趣旨、内容等の周知徹底に努めるとともに、出荷停止肥料処理事業者に対する処理施 設の紹介その他必要な支援に努めるものとする。

  3 出荷停止肥料処理事業者は、経済研及び都道府県の指導の下、関係機関及び関係団体との連携に努め、事業の適正かつ円滑な実施を図る ものとする。 

 

第6 事業団の助成等

 事業団は、予算の範囲内において、別表に定める補助対象経費及び補助率により、第3に規定する事業を実施するのに要する経費につき助成するものとする。

 

第7 その他

 この要領に定めるもののほか、この事業の実施につき必要な事項については、理事長が定めるものとする。

 

 

別 表  

   事業の種類

               補助対象経費

 補助率

 

1 出荷停止肥料

 適正処理の推進

 経済研が出荷停止肥料の適正処理の推進を図

るため、検討会の開催等を行うのに要する経費

 定 額

 

 

 

 

 

2 出荷停止肥料

 の適正処理

 経済研が助成する出荷停止肥料処理事業者に

よる出荷停止肥料の適正な処理に要する経費

 定 額

 

 

 

 

 

  注.2の事業に係る助成単価等は、別紙のとおりとする。


(別紙)

               区    分

          助成単価

 

運搬費(円/kg

    〜50km

        3.4

 

 

   51〜100km

           5.2

 

 

 101km

           7.5

 

梱包費(円/kg

            

 

 

  標準単価

  上限単価

 

焼却等処分費(円/kg

 

 

 

 

     35

    50

 

    注:1 運搬費は、保管場所から処理施設までの運搬に係る経費とし、助成単価と実績額のどちらか小さい額を助成額とする。

        2 梱包費は、一般廃棄物処理施設等への受入れに当たって、樹脂袋等から紙袋への詰替えが求められる場合に、助成するものとする。

  3 焼却等処分費は、原則として標準単価と実績額のどちらか小さい額を助成額とし、標準単価を超えるやむを得ない事情があると認められ る場合に限り、上限単価の範囲内で助成することができる。その場合、その事情を証明する書類を提出するものとする。